効率的な勉強は「質の高い睡眠」から

効率的な勉強は「質の高い睡眠」から💡

「ちゃんと寝たはずなのに、なんかスッキリしない…」

それ、もしかして、睡眠の質が悪いかも?

ということで、本記事では、科学的根拠のある「良い睡眠」の条件をチェックしていきます!

✅カフェイン&アルコールの制限

カフェインとアルコールの悪影響には、強い科学的根拠があります。

それぞれが睡眠に与える影響はこんな感じ↓

  • カフェインは寝る6時間前までに抑えないと、睡眠の質が低下する(Drake et al., 2013)
  • アルコールは寝つきを良くするが、深い睡眠を減らし、夜中に目が覚めやすくなる(Roehrs & Roth, 2001)

ということで、カフェインは昼以降は控えて、アルコールは寝る直前に飲まないのがGOOD!

なお、カフェインの代謝能力には個人差がありまして、夜にコーヒー飲んでも全然平気という人もいたりします。

かくいう私はカフェインにとても弱いので、デカフェコーヒーだったとしても、お昼以降に飲むと、夜に眠れなくなってしまいます(苦笑)

皆さんも、ご自身の体質に合わせて、飲む量や時間帯を調整してみてください。

✅食事改善

睡眠には、食事も深くかかわっています。

  1. 夕食は就寝 2〜3時間前までに済ませる。消化が終わっていないと睡眠の質が下がる
  2. トリプトファンを含む食事(バナナ、ナッツ、乳製品)を取ると、メラトニン生成を助ける

トリプトファンと睡眠の関係(補足)

トリプトファンに関してもう少し補足すると、「夜中に目が覚めちゃう!」って人には、トリプトファンを試す価値ありです。

というのも、トリプトファンというのは、セロトニン(気分を安定させるホルモン)やメラトニン(眠気を誘うホルモン)の材料になるアミノ酸なんですね。

具体的にはトリプトファン→セロトニン生成→メラトニン生成の流れ。

セロトニンやメラトニンがきちんと分泌されると、寝つきが良くなるだけでなく、夜中に目が覚めにくくなることがあるんです。

研究例:Hartmann (1982) → トリプトファンを多く含む食事を摂ると、寝つきが良くなり、深い睡眠が増えることが確認された。

トリプトファンを含む食品はこの辺り↓

乳製品(ヨーグルト、チーズ、牛乳)
バナナ
ナッツ類(アーモンド、くるみなど)
豆類(大豆、ひよこ豆)
七面鳥肉

炭水化物と睡眠の関係

さらにいうと、「炭水化物(ご飯、パン、パスタなど)を寝る3〜4時間前に適量摂ると、入眠しやすくなる」という研究もあります。

理由:炭水化物を摂るとインスリンが分泌され、トリプトファンが脳内に入りやすくなるため。

研究例:Afaghi et al. (2007) → 就寝の4時間前に高GI(血糖値を上げやすい)食品を摂ると、寝つきが良くなった。

ちなみに、それぞれどれくらい科学的根拠があるかというと、

  • トリプトファン→ セロトニン → メラトニンの関係は確立されている(強い科学的根拠)
  • 炭水化物の摂取タイミングと入眠の関係も複数の研究で証明されている(中程度の科学的根拠)

という感じ。

注意点

注意していただきたいのが、「食事改善で睡眠の質は確実に上がるが、それだけで劇的な変化はしない」ということ。

つまり、睡眠の質を上げる「土台作り」なわけです。

ですので、食事改善だけで完璧な睡眠が手に入るわけではなく、光・運動・ストレス管理などの他の要因と組み合わせるのがベストですね。

✅睡眠環境

さて、お次は睡眠の質を高める環境について見ていきましょう。

  1. 室温・湿度:18〜22℃、湿度40〜60%が理想的
  2. 暗さ:完全な暗闇がベスト。青色光(スマホやPC)を避ける
  3. 音:できるだけ静かな環境を作る(ホワイトノイズや耳栓も有効)

基本的には上記を守ればOKですが、せっかくなので、もう少し細かい話をしていきましょう

睡眠環境の補足①「室温」

室温に関しての補足ですが、まず結論から言うと↓

結論:夜に徐々に温度が下がる環境のほうが、睡眠の質が高くなる!
✅ 深部体温の低下を助け、深い睡眠を促す
✅ レム睡眠のバランスを整え、早朝覚醒を防ぐ
✅ 自然な覚醒のタイミングを作る(明け方に少し寒くなると目覚めやすい)

室温は一定よりもだんだん下がる方が良い

もともと人類っていうのは、屋外や簡易なシェルターで眠っていたので、夜間の温度低下が自然なリズムだったわけです。

一方で、現代ではエアコンを使って、人工的に寝室を一定温度にして寝るという人も多いですが、実はそのような環境で寝るよりも、時間とともに少しずつ冷える環境のほうが質の高い睡眠になる可能性があるんです。

というのも、エアコンなどを一切使わないアフリカや南米の狩猟採集民の睡眠を調べた研究(Yetish et al., 2015)があるんですが、それによると、

  • 彼らは夜間の温度が低下するタイミングで自然に眠くなる
  • 夜の気温が下がるのに合わせて眠り、明け方の冷え込みで自然に目覚める
  • エアコンなしでも比較的良好な睡眠を維持している

ということが分かっております。

つまり、「人間は夜の気温低下と連動して眠るよう進化してきた可能性がある」ということですね。

この温度低下と睡眠について、もう少し詳しく見ていきましょう。

自然な温度変化とは?

自然な温度変化っていうのは、「寝てから起きるまでの温度が徐々に下がっていく」ということ。

このような環境が、人間の本来の睡眠環境に近いと考えられます。

なぜかというと、かつて屋外で寝ていた時代の睡眠環境では、「日が沈んでから明け方にかけて気温が徐々に低下し、明け方に最も冷える」というパターンだったからですね。

「温度低下と睡眠」の関係

「なぜ温度が徐々に下がると質の高い睡眠になるのか?」というと、主な理由としては、

  1. 寝つきがよくなる
  2. ノンレム睡眠の時間が増える

の2つが挙げられます。

まず1つ目ですが、「深部体温の低下が入眠を促す」というのは皆さんご存じかと思います。

睡眠時には、体の中心部の温度(深部体温)が下がる必要があるわけです。

「寝る90分前にお風呂に入ると寝つきが良くなる」というのも、皮膚の血流が増えて深部体温が下がるからです。

この時、室温が下がると、体もそれに合わせて深部体温を下げやすくなると考えられます。

そして、深部体温の低下を助けることは、深い睡眠(ノンレム睡眠)の時間が増えることにつながります。

私たちの体は、通常、朝方になると深部体温が少し上がり、浅い睡眠(レム睡眠)が増えてきます(夢を見る時間が長くなる)。

この時、部屋が暖かすぎると、体温が上がりすぎて覚醒しやすくなります(早朝覚醒の原因)。

夜間の温度低下があると、この「覚醒しすぎ」を防げる、というわけなんです。

結論

長くなってしまったので、あらためて結論を言うと↓

結論:夜に徐々に温度が下がる環境のほうが、本来の睡眠に近い!
✅ 深部体温の低下を助け、深い睡眠を促す
✅ レム睡眠のバランスを整え、早朝覚醒を防ぐ
✅ 自然な覚醒のタイミングを作る(明け方に少し寒くなると目覚めやすい)

実践できること

ということで、なるべく自然環境に近づけた、理想的な温度変化の流れは以下の通りです↓

  • 寝る直前(就寝前):少し暖かめ(約25℃前後)
  • 就寝後〜深夜:温度が少しずつ低下(22〜23℃)
  • 明け方:最も低くなる(20〜21℃)

さて、これらを踏まえて、私たちの生活の中で実践できることとしては

  • 夜はエアコンを「設定温度固定」ではなく、徐々に下げる(例えば寝る前25℃→朝方22℃)
  • かけ布団を2枚重ねなどにして、夜中に適宜温度調節できるようにする

あたりを試すと、現代の環境でも より自然な睡眠のリズムに近づける かもしれません。

睡眠環境の補足②「暗さ」

「光と睡眠」の関係

基本的に、「真っ暗な方が睡眠の質は高い」ということが科学的に証明されております。

理由は、光によって、メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が抑えられてしまうからですね↓

✅ 明るいとメラトニンが抑えられる
→ 特に青い光(スマホ・LED) は、脳を覚醒させてしまう
✅ 夜中のわずかな光でも睡眠が浅くなる
→ Jiang et al. (2022) の研究で、「寝室に微弱な光(5ルクス程度)が
 あるだけで、睡眠の質が低下し、翌日の血糖値や心拍数にも影響が出る」
 と判明

暗さは「真っ暗がベスト」だが、それが不安なら…

というわけで、寝るなら真っ暗がベストではあるんですが、
「真っ暗だと不安で眠れない!」という人もいますよね。

そういう場合は、無理に暗くせず、心理的な安心感を大事にしてください。

暗闇が不安で交感神経が活性化してしまうと、むしろ眠りにくくなりますし。

その場合には、次のような工夫をして、できる限り睡眠の質を高めるのがおすすめです。

  • 赤やオレンジ系の微弱な光を使う
    → 暖色系の光はメラトニンを抑えにくい
     (キャンドルライトや赤い間接照明など)
  • 足元に間接照明を置く(天井ではなく)
    → 光が直接目に入らない位置 に置くと、影響が少なくなる
  • アイマスクを使う(安心感を感じるなら)
    → 圧迫感が心地よいと感じる人には効果的
     (ただし、不快なら無理しない)

睡眠環境の補足③「音」

さて、「音」に関しては、ホワイトノイズや耳栓も有効という話を書きましたが、「ホワイトノイズとは何か?」について簡単に解説します。

ホワイトノイズは、全ての周波数の音が均一に含まれた「シャー」という音のことです。たとえば、雨音や扇風機、エアコンの音ですね。

ホワイトノイズの効果は以下の通り↓

  • 周囲の雑音をかき消す(車の音・話し声などをマスク)
  • 脳をリラックスさせる(一定のリズムで安心感)
  • 入眠しやすくなる(無音より眠りやすい)

ホワイトノイズはYouTubeなんかでも聞けるので、興味のある方は一度試してみると良いかもしれません。

あとは耳栓ですね。私もそうですが、耳栓って苦手な人は苦手ですよね。

その場合の対策としては、以下の方法があります↓

  • 防音カーテン・厚手のカーテンを使う(外の音を遮断)
  • ノイズキャンセリングイヤホンを使う(圧迫感が少ない)
  • 枕元に静音扇風機を置く(自然なホワイトノイズ効果)
  • ヘッドバンド型のスリープイヤホン(柔らかい布製で寝返りしやすい)

いろいろな方法があるので、自分に合うやり方を試してみてください。

✅睡眠サイクルの最適化

食事と睡眠環境を整えたら、あとは「睡眠サイクルの最適化」です↓

  • 理想の睡眠時間:個人差があるが、成人は6.5〜8時間が最適
  • 深部体温の調整:寝る90分前に入浴(40℃で15分)すると、
            寝るときに体温が下がり、寝つきが良くなる
  • 日光を浴びる:朝に太陽光を15〜30分浴びると、
           メラトニンの分泌リズムが整い、夜に自然に眠くなる

理想の睡眠時間を知る4つの質問

「理想の睡眠時間」と書きましたが、実は、その人にとってのベストな睡眠時間を正しく把握するのは、いまの科学をもってしても難しいんです。

というわけで、とりあえず次の質問項目で、一つでも当てはまるものがあれば、睡眠時間を増やしてみると良いかもしれません↓

  1. 目覚まし時計をかけないと起きられない。または、目覚ましをかけないと、いつもより遅い時間に目が覚める
  2. 目が覚めてからベッドを出るまでに苦労する。または、朝にカフェインをとらないとシャキッとしない
  3. 週末になると、平日よりも長く寝てしまう
  4. 週に1〜2回は睡眠時間が7時間を下回る

参考:https://yuchrszk.blogspot.com/2015/06/blog-post_54.html

✅規則正しい生活リズム

そして最後は、「規則正しい生活リズム」です↓

  • 毎日同じ時間に寝る・起きる:体内時計を一定に保つ
  • 昼寝は20分以内:長すぎると夜の睡眠に悪影響
  • 就寝前のリラックス:読書、ストレッチ、瞑想が有効。スマホはNG。

これらを実践すれば、科学的に質の高い睡眠が得られるはず。

スヌーズ厳禁!体内時計を整える正しい目覚め方⏰

質の良い睡眠の基本は「毎日同じ時間に寝起きすること」!
体内時計が整うと、朝自然に目覚めやすくなり、日中の集中力もUP✨

逆に、NGなのが、「スヌーズ機能」。

「朝スッキリ起きられない…」「何度もスヌーズ押しちゃう…」
そんな人は要注意です⚠️

スヌーズを繰り返すと、体が「また寝てもいい」と勘違いし、体内時計が乱れて不眠の原因になることも…

💡おすすめの目覚め方はコレ!

そんなわけで、おすすめの目覚め方はこんな感じ↓

アラームを ベッドから数メートル離れた場所に置く
→ アラームを止めるには起きるしかない状態にする!

これだけで、スヌーズ地獄から抜け出し、体内時計も整ってスッキリ目覚められますよ🌞

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